忘れたくないから

物語を描き終わってしまうと多かれ少なかれ心境に変化が生じてしまってその物語に関するイラストを描けなくなるという現象に以前なったことがあり、今回はそうならないといいなと思っているのですがやはり徐々に片鱗というか…が見え始めているのでよくないです。今回も書き終わったことでキャラクターがどっか行ってしまいそうな気がするので、必死に繋ぎ止めている感じがしています。そういうわけで、青島と椿さんのイラストを描きたいけど全く思い浮かばないなーと思って描いたのがこのアオでした。

アオは今描いて(書いて)いる青島の原型としてもともとあったキャラなのですが、キャラクターページにもある、アオとアオのいとこのコウ、それと近所に住んでる涼ちゃんという女の子の3人の一夏の物語(HighBlue)の主人公でした。子供の頃、この創作を6年ぐらいやっていて、19~20歳にかけて通しで小説を書いて終わりにしたのですが、当時は「もうこの話をずっと考えているから、早く終わらせなければ」という焦る気持ちがあったと思います(今から思えば、別にもう少し寝かせてもよかったんじゃないかなと思う気持ちもありますが、でも大学3年以降は当時興味があったアクリル絵画も本格的に活動したかったし、社会人になってからは忙殺されて創作どころではなくなってしまったので、やっぱりあの時書いておく他なかったのかなとは思います)。そういうわけで、私にとっては子供時代の憧憬や当時美しいと感じていたものが詰まったキャラクターで、私が未だに青島が大好きな気持ちにもつながっているのかなと思います。

で、アオってコウの家に来る前はどういう人間だったのだろう?とこれもまた子供時代に考えたところから美貌の青空の原案は生まれたと思います。実は美貌の青空は私が19歳の時に、HighBlueの前日譚として書こうとして挫折した物語でした。今回、同タイトルでブログに掲載しているものは、26歳の椿さんが語り部をやってくれているのですが、昔書こうとしていた小説は17歳の椿さんが語り部で、青島が椿さんの通う東京の中学に編入して高校中退することになるまでの話だったので、その時のエピソードも組み込んで書く形になりました。なので、正直かなり構成としては自己満というか、初見の、もともとのエピソードを知らない方が見た時に伝わるのだろうか?と思ったところはあるのですが、もう当時見てくれていた人もいないし、書いているときは読んでくれる方がいるかどうかもわからなかったし、人の目は気にせず自分が好きなように書こうの精神で最後まで書いたと思います。

HighBlueではまだアオ自身が自分がされたことについてうまく理解できていないところがあって、母親に対しては憐憫や後悔の感情が強かったところがありました。私はアオのそういうところも好きですが、性虐待や性暴力を受けた人の心理として、「時間が経つにつれ、徐々に自分がされたことを理解(というか解釈)して二度苦しむ」ということがあると思っていて、青島の場合はアオとは自分がされたことへの捉え方が変わっています。
男性の性被害の場合は、女性に対して身体的には強者であることから「逃げられなかった自分も悪かった」と考えがちで、被害を受けているというよりは共犯関係のような感覚を覚えやすかったり、「相談しても誰にも受け入れられない」という気持ちを抱えやすいようです。(そうだろうなと思います)
Dance with Strangerを書いた時にもそれは意識していたと思うのですが、椿さんって基本的にそういう重い内容も適当に流しちゃう性格なので、今見たら60点くらいの返しなのですが当時はこれが限界だよなあって思いながら書いていました。でもその60点ぐらいの返しが当時の青島にとってはちょっと寂しくもあり、居心地良くもあったんじゃないかな

今回、美貌の青空を描くにあたっては青島の母親についてかなり突き放した書き方をしたのですが、実は私は彼女のことも嫌いではありません。確かに世の中的には間違っていて、許されないことで、青島も修復不可能な傷を負ってしまったわけですが、一方で彼女が青島のことを(誤解をおそれずに言えば)深く愛していたとは思っています。そして、青島もそのことは理解していて、そのことはNirvanaに書いたので、完全に伝わることはなくても、少しだけでも伝わっていたらいいな・・と思います。

青島が椿さんと訣別して画家と住むことになるというお話自体は大体6、7年前の時点でアイディアのようなものはあったと思いますが、実際にお話にできて嬉しかったです。

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