
こういうタッチもいいなあと思いながら描いたガニュメデスです。ギリシャ神話パロ、絵を描き始めているのですが、まだ参考文献をきちんと読めていなかったり、もっと古代ギリシャのこと勉強してから描きたいという気持ちがあって、ちょっと寄り道しながらの進行になりそうです。年内に出したいと考えていましたが、それも私の勉強の進捗次第になると思います。そうこうしているうちに絵のタッチが変わったりして、結局全部描き直すことになるんじゃないだろうか‥という気がいたしますね。気長にお付き合いいただけると幸いです。
GWいかがお過ごしでしたでしょうか。私は近所に住んでいる高校の同級生に誘われて高校の別の同級生の個展を見に行き、十数年ぶりに再会したり、映画を見に行ったり、文学フリマの準備をしたり、マリオカートで遊んだりしていました。あと、無名人インタビューを受けさせていただき、インタビュアーの本間さんの傾聴力に癒されながら、文学フリマで頒布する本について支離滅裂なことを口走ったり、していました。まとめるの大変だったのでは…と思います。その節はありがとうございました。
前回の記事で、創作BLを求めている方から望まれていないものを書いて売ろうとしているのではないか…という悩みを書いていたのですが、その後Xのフォロワーさんとお話しする中で、なんとなく、「小説は優しくないけど、イラストで癒しを感じてもらうことならできるかなあ」と思いながら↓の向日葵の絵を描きました。私自身は去年まで「絵で癒される」みたいなことはあまり思ったことがなかったのですが、去年入院した時に、病院の廊下の壁に海の絵が飾ってあって入院生活の中での心の潤いになっていたこともあって、絵で癒されることもあるのかなあと思うようになりました。

家族がテアトル系の邦画が好きなので、なぜか毎回見にいくのですが、私は教皇選挙が観たいなーと思いつつ、「片思い世界」を観ました(面白かったです)。観ている途中で、そういえばHighBlueのまま進行した場合の椿さんの短編を私は昔書いたことがあったなあということを思い出しました。以下、別の世界の椿さんのお話です。
私は各所で「HighBlueの世界線では青島は死んでいて、今やってる美貌の青空はIF」ということをお話ししたり書いたりしていると思います。HighBlueの世界線では、没交渉だった椿さんは何かのきっかけで青島が死んだことを知って落ち込むのですが、卒論を書き終わったあとの冬のある日、ふと思い立って青島の墓参りに行きます。椿さんは特急で田舎の侘しいお墓に行き、煙草を吸って、その日のうちに東京に帰る、みたいな淡々とした短いお話で、タイトルは「Live and Learn」でした。当時Cardigansの同名の楽曲をよく聴いていて、そこからつけました。
東京よりは暖かいだろうと思って行った街は、予想に反して驚くほど冷たい風が吹いていた。雪は降っていなかったけれど、ところどころに残雪があり、道が濡れていた。海は殺伐としていた。何もない街で、教えられた墓地では年配の女性と一人すれ違ったが、人と呼べるものはそれだけだった。
青島の墓は日本で一般的に見られる何の変哲もない石造りの墓で、目立って汚れているわけでもなかったが、手入れが行き届いているわけでもなかった。青島の名前の他に二人の名前が彫ってあった。銀の線香立ての底には、以前誰かが訪れた時の物と思われる線香の残骸がみすぼらしく刺さっていた。花は一輪も供えられていなかった。
僕は軽く塵を払って、線香を新しいものに取り換え、ズボンのポケットからライターを取り出して火をつけた。緑色をした線香の先には赤い光が灯り、やがて頼りなく細く白い煙が立ち上りはじめた。僕は少しの間目をつぶって手を合わせ、それが終わると自分の煙草に火をつけて、それを吸いながらしばらく煙を眺めていた。煙はすぐに透明になり空気の中に消えていった。何の感情の起伏も起こらなかった。あるいはそれは僕が自覚のない悲しみの渦中にいるからかもしれないと思ったが、よくわからなかった。ただ、冬の締まりのある寒さのせいか、恐ろしく思考が明瞭な気がした。
青島のことを思い出そうとしたが、彼がいた頃の話は遥か遠い昔のことに思え、もはや自分の中にあるものが思い出なのか、自分で勝手に作りだした像なのかもわからなかったので、少し考えてから諦めた。頭の中に浮かんだ青島の像はどういうわけか白くかすんで、一切音声を伴わなかったのだ。
二、三本煙草を吸い終えると、僕はもう一度手を合わせ、その場所を後にした。空はどんよりと曇って暗く、湿った空気が皮膚に張りついていた。
ところどころ表面が剥がれて錆ついた案内看板を頼りに海岸を目指し歩くと、やがてコンクリートの堤防に固められた海に辿りついた。テトラポッドの上には鴎が群れをなして飛び交い、波の多い、殺伐とした、しかしなぜか全体の印象としてとても静かな海に、鳴き声を響かせていた。
僕は鞄からかつて青島が精神病院から送ってきた手紙を取り出し、一瞬それをもう一度読むべきか迷って、次の瞬間中の手紙ごとその封筒を海に破り捨てた。紙は散り散りになり、風に煽られて紙吹雪のように閃いたのち海に落ちて、やがて見えなくなった。
ーLive and Learn(2010.Oct)抜粋
15年前‥(そこである)こうしてみてみると、椿さんは昔から椿さんだな…と思いますね(今ならこういう書き方はしないだろうなと思うけど)。この世界線の椿さんも元気かな。
あなたの未練はこっちの世界の椿さんが晴らしてくれましたのでご安心ください。

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